勤続は17年になります。「仕上げ工程」全般を任されています。
仕事の準備に入る時、先ず一枚一枚「革」を手に取り、入念に状態をチェックすることからその日1日が始まります。
早朝の静かな空間の中で、一人きりで加工前の「革」と対話するような感じですかね。肌目を整え、スプレーで鮮やかな色と潤いを得た「革」の呼吸を確かめながら1工程ずつ手を進める。素材が天然ですから1日で多くの工程は詰め込みません。
「エイジング効果」もれっきとした工程ですから。時には幾晩も「革」を寝かせることも大切です。
毎日「革」を作ってますが、同じ物が不思議なくらい無いんです。毎日が刺激的で、新鮮で、大変で。
だから、この仕事、好きです。